札幌では、ストーブの試運転を始める家が増えるころだ。そんな季節に出た週刊アスキー1617号(2026年10月13日発行)は、買い替えをうながしてくる一冊だった。筆者の櫻田泰憲が、気になった特集だけ選んでざっと紹介する。
先に結論を並べておく。ことしの秋にパソコンかガジェットを買う人は、この号の前半だけでも立ち読みする価値がある。
- 特集1は、BTO PCとミニPCを「用途を決めてから」選ぶ手順を、実機の価格つきで示している。
- 特集2は、価格や見た目ではなく「中の仕組み」に惚れて買う1点買いガジェットの本だ。
- ASCII Power Reviewは、30万円クラスの携帯ゲーミングPC「OneXPlayer 3」を実機で試している。
週刊アスキー1617号の目次をざっと紹介
表紙の人は志田こはく。号全体の骨組みは、目次の表を見るとつかみやすい。ページ数は誌面の表記どおりだ。
| ページ | 記事 | ひとこと |
|---|---|---|
| 6 | 特集「PCを買う前に見るべきポイント」 | BTO PC、ミニPC、周辺機器の選び方 |
| 14 | ASCII Top Stories | キーボード展示イベント、JBL 80周年、VAIO T検証ほか |
| 22 | 特集「テクノロジー1点買いのガジェット」 | 仕組みに惚れて買う製品を紹介 |
| 32 | 連載のASCII Power Reviewは、OneXPlayer 3 | インテル最新CPU「Arc G3 Extreme」搭載 |
| 36 | 編集者が推すイヤフォン特集(推しガジェット大賞2026) | 5製品を紹介 |
| 52 | ASCII PC自作ニュース | GIGABYTEのコラボマザー、NieR15周年記念のPCキット |
| 56 | 注目&お買い得ガジェット | 編集部Amazonウォッチャーの発掘品 |
| 92 | ASCII.jp NEWS | 新しいFire TV Stick 4Kなど |
特集1:BTO PCを松竹梅で選ぶ価格と構成

この特集の答えは一つだ。パーツの数字を見る前に、PCで何をするかを先に決める。誌面は用途で三つの構成に分けている。
松は最強AIとAAAゲームを満喫するハイエンド構成。竹はゲームもAIも楽しみたいミドルレンジ。梅は低予算でPCゲームを遊ぶエントリー構成だ。
| 区分 | モデル | 直販価格 | CPU/グラボ/メモリー・SSD |
|---|---|---|---|
| 松 | GALLERIA FDR7A-R58-B | 48万9980円〜 | Ryzen 7 9800X3D/GeForce RTX 5080 16GB/32GB・1TB |
| 竹 | G-GEAR GE5J-B256/B(TSUKUMO) | 28万9300円〜 | Core Ultra 5 225F/Radeon RX 9060 XT 16GB/32GB・1TB |
| 梅 | FK2-57X56(STORM) | 17万9800円〜 | Ryzen 7 5700X/GeForce RTX 5060 8GB/16GB・1TB |
注文する前に決めることは、次の三つに絞れる。
- 何に使うか(ゲーム、AI、事務)を先に決める。
- グラボのVRAMとメモリー容量を、用途に合わせて選ぶ。
- 将来の積み替えを考えるなら、電源の容量に余裕を持たせる。
面白いのは、各モデルに「おすすめのBTO+α強化」が添えてあることだ。松にはSANDISK WD_BLACK 1TBのGen 5対応SSD(+1万7000円)、竹にはG-GEAR純正の水冷クーラー(+5500円)、梅には無線マウスL8 MAX NearLink(+9000円)が並ぶ。
電源のコラムも見逃せない。標準構成の電源は、いまのパーツが問題なく動く容量にとどまる。将来グラボを積み替えるなら、注文の時点で850Wや1000Wへ上げておくほうが、あとの手間が減ると誌面は説明している。
家で言えば、ブレーカーの容量を決めないまま家電を買い足すようなものだ。あとから落ちて困る前に、最初に余裕を見ておく。この助言は理屈が通っている。
ベアボーンのミニPCと周辺機器の選び方
特集の後半は、ミニPCのベアボーン(本体だけのキット)を選ぶ話だ。注意点は、ノートPCと同じ小型のSO-DIMMメモリーが主流で、DDR5とDDR4に互換性がないことだ。SSDもM.2の規格を確かめる必要がある。
| モデル | 直販価格 | 特徴(誌面より) |
|---|---|---|
| MINISFORUM 895D7 | 10万9999円〜 | Ryzen 9 8945HX。グラボ増設にも対応する新定番のミニPC |
| GMKtec K12 | 6万4999円〜 | Ryzen 7 H 255。OcuLink対応で外付けグラボも使える |
| ZBOX edge MI672(ゾタック日本) | 9万6800円〜 | Core Ultra 7 155H。薄さ28.5mmのスリムボディー |
周辺機器のページでは、ベルキンの「Connect 8-in-1 Dual 4K Display USB-C コア ハブ」(実売2万1800円前後)と、M.2 SSDを4枚まで挿せるASRockの拡張カード「Blazing Quad M.2 Card」(実売1万8400円前後)を紹介している。
ベアボーンの買い時については、Amazonなどのセール期間を狙うことと、キーパのような価格推移ツールで値動きを見ることが勧められていた。台所のお米と同じで、特売の日を知るだけで、財布の減りかたが変わる。
特集2:1点買いガジェットは仕組みで選ぶ

特集2は「この機能、この仕組みにそそられる」がテーマだ。使い勝手やデザイン以外に、搭載された技術そのものに関心がある人向けに、編集部が選んだ製品が並ぶ。
表紙まわりでは、Vocci、Dyson CameraJet、Beats 360が大きく扱われている。ほかにLANDER 20Hz、VIXion2、Technics EAH-A1000も名前が挙がる。
俺がいちばんじっくり読んだのはBeats 360(直販5万9800円)だ。左右が完全に独立した「超巨大な完全ワイヤレスイヤフォン」という見立てが面白い。通常のヘッドホンは左右をつなぐ配線のために太いヘッドバンドが要る。この機種は配線をなくし、細いバンドで支える。
スペックはBluetooth 5.3、40mmダイナミック型ドライバー、ANCあり、バッテリー最大35時間、重量294.5gだ。本体は4色、パッドは6色から選べて、パッドを外すと本体はスリムになる。デザインを技術で実現した一台、という誌面の評価に納得がいく。
OneXPlayer 3は約30万円の携帯ゲーミングPC
ASCII Power Reviewの今回の主役は、天空が扱うOneXPlayer 3だ。価格は約30万円から。インテルの新CPU「Arc G3 Extreme」を積み、内蔵GPUはArc B390(Xe3の12コア)と記されている。
| 項目 | 内容(誌面より) |
|---|---|
| ディスプレー | 8.8型有機EL、1920×1200ドット、最大144Hz、ピーク輝度1100ニト |
| メモリー/ストレージ | 24GBか32GB/512GBか1TB。最大2TBのミニSSDスロットあり |
| 重量 | 本体のみ779g、コントローラー装着時939g |
| バッテリー | 85Wh、駆動時間は約25時間とうたわれている |
筆者は、コントローラーを外してタブレットとして使い、背面のスタンドで立てるスタイルを推している。両手で持ったままだと、重さが気になるという指摘も誌面にあった。携帯機の宿命だ。
編集者が推すイヤフォン5本と刺さった1台
推しガジェット大賞2026の企画では、イヤフォンが5本並ぶ。ヴァルフォニクスのLANDER 20Hz(3万9600円)、フィリップスのTAE3130(1980円)、ソニーのIER-M500(1万9800円)、finalのZE500 NYUMIN(1万1800円)、ラディウスのHP-NE30Cだ。
刺さったのは、寝る専用のZE500 NYUMINだ。布団の中でイヤフォンが耳に当たって眠れない夜を、誌面は課題に挙げる。耳に収まる小型薄型の設計と、細かな音量調整、夜の環境音を調整するアプリが売りだと誌面は説明する。
LANDER 20Hzは、耳をふさがない開放型なのに重低音が出る個性派だ。15.4mmの大型ドライバーを積み、3Dプリンター製の軽い本体で、英国の工房が手作りしている。1980円のTAE3130と並べて読むと、イヤフォンの値段の幅が広いことがよく分かる。
キーボード展示イベントとVAIO T検証の見どころ
ASCII Top Storiesは、日本最大級のキーボード展示・販売イベント「TOKYO KEYBOARD EXPO」のレポートが目玉だ。初回の昨年は秋葉原UDXで開かれ、今年は会場を東京流通センターに移し、面積を約2倍に広げたと誌面にある。
クラウドファンディングで7億円を超えた注目の分割キーボードも試せた。紹介されたのは、ダイオード不要の自作キット「Rookey」、アルミボディーとトラックボールが美しい「M50」、レトロ調の「Model M 65」など。写真を眺めるだけで、会場の熱が伝わってくる。
同じ枠のVAIO T検証は、画面をひっくり返す変形ノートPCの実機レビューだ。13.3型のWQXGA液晶、Core Ultra 7 356Hを採用し、試用機の重さは実測1349.5g。クラムシェル、ビュー、タブレットの3スタイルに変形する。
そのほかにも読みどころが満載
表紙で大きく謳っているJBLの80周年イベントでは、歴代名機と2400万円のスピーカーが目玉と目次にある。シャオミ本社への潜入レポートと、誘惑に勝てず購入した「18 Fold」の話も同じ枠だ。
連載では、T教授の戦略的衝動買い(42ページ)が「Ray-Ban Meta」の小さな充電アダプターを取り上げる。みやさとけいすけの工具探検隊(44ページ)は、分解作業で手放せなくなった「コジアケ」の話だ。
今週のグルメ(72ページ)は、丸亀製麺の新作うどんなど。ASCII倶楽部に行こう!!(82ページ)、コラムジャングル(88ページ)、今週の運勢(137ページ)まで、読み物がたっぷり入っている。
こんな人には合う、こんな人には合わない
この号が向いている人を、先に分けておく。
- 合う人:秋にBTO PCかミニPCを買う予定があり、価格と構成を一覧で見たい人。
- 合う人:1点買いのガジェットで、中の仕組みの話まで楽しみたい人。
- 合う人:イヤフォンを千円台から4万円近くまで見比べたい人。
- 合わない人:パーツ単体の細かいベンチマーク比較を求める人。この号はそこが主役ではない。
パーツ単体の数字を深掘りしたい人は、BTO各社の公式ページを見比べるほうが早い。誌面はあくまで入り口だ。
読者の「これはどうなの?」に答える
Q. 松竹梅のどれを選べばいいのか。
用途しだいだ。誌面は、AIとAAAゲームを最高画質で遊ぶなら松、VRAM 16GBで足りるなら竹、フルHDで十分なら梅としている。筆者の俺は、迷う人は、まず竹の構成から見てほしい。
Q. ベアボーンは本体だけで動くのか。
動かない。メモリーとSSDが別売りのモデルが多く、OSも別に用意する必要がある。メモリー・SSD付きで売られるモデルもあるので、販売ページで構成を確かめることだ。
Q. 電源は標準のままで足りるのか。
いまの構成だけなら足りる。ただし、将来グラボを積み替えるなら、注文時に850Wや1000Wへ上げておくほうが手間が減ると誌面は述べている。
読んだ感想:買う前に用途を決める一冊
1617号を読み終えて、いちばん心に残ったのは「買う前に用途を決める」という一点だ。松竹梅の表は、財布の事情と遊びたいゲームを並べて、自分の居場所を探す地図になっている。
特集2を読んで、ガジェットを選ぶ楽しみは値段だけではないとあらためて感じた。Beats 360のように、見た目のわけが技術の側にあるものは、説明を読むほど、ほしくなる。
こたつの中でページをめくるだけで、いまの相場と流行が頭に入る。週刊誌のありがたさは、そこにある。
気になった人は、雑誌本体で全ページを確かめてほしい。
この記事は、2026年10月13日発行号を読んで気になった特集を選び、その内容をもとにAIアシスタントの支援で文章化した。本人が誌面を読み返して確認・加筆し、数字は誌面と照合している。
筆者:櫻田泰憲(札幌在住・1964年生まれ)



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