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『時森さんが無防備です!!』2巻を、ネタバレありで読み解く。収録は第11話から第19話までと、巻末のおまけ短編だ。先に結論を置く。この巻のみどころは、元カレの決めつけを素川がまっすぐ打ち返す第15話と、職場の悪意を「誤字」ひとつで崩す第19話。無防備なだけでは終わらない時森さんが見られる。
PR:まず原作を手元に置きたい人へ。2巻は電子書籍で読める。配信ストアの商品ページで、価格と試し読みの有無をたしかめられる。『時森さんが無防備です!!(2)』のKindle版
時森さんが無防備です!!2巻の基本情報
書誌は、巻末の奥付と配信ストアの作品ページで確認した。2巻の配信日は、ストアのページに記載がない。確実に言えるのは奥付の発行日だけだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 時森さんが無防備です!!(GANMA!) |
| 著者 | たざわ |
| 発行所 | コミックスマート |
| 初出 | GANMA! |
| 2巻の発行日 | 2023年9月1日(奥付の表記) |
| 収録 | 第11話〜第19話、巻末おまけ短編、あとがき |
シリーズ全体の巻数や作品紹介は、配信ストアのシリーズページにまとまっている。続きを買う前に、巻数の確認ができて便利だ。時森さんが無防備です!!(GANMA!)のシリーズページ(BOOK☆WALKER)
この記事で押さえたい三つの要点
長い記事なので、先に持ち帰ってほしいことを並べる。
- 第11話〜第19話のあらすじを、話ごとに最後まで追える
- 素川の「分け合えばいい」という考え方が、巻全体の軸になっている理由
- 巻末おまけとあとがきで、本編のあとに何が拾えるか
2巻のあらすじ(ネタバレあり)

第11話「いつもと違う時森さん」
ある夜、素川は横になった時森さんのそばで固まっていた。顔が近づいてしまい、汗をかいてうろたえる。目を覚ました時森さんは、迷惑をかけてばかりなのに、どうして素川くんはそんなに優しいのかと不思議がる。
素川は、大した理由はないと前置きして身の上を話す。父を病気で亡くしたこと。母が無理を重ねて倒れたことがあること。そのとき、ひとりで全部を抱えられる人はいない、持ちきれないなら一緒に持てばいい、と思ったのだという。だから時森さんが疲れたときは、自分でよければ手伝いたいと笑って伝える。
時森さんは目を見開いて聞き、話してくれてうれしいと礼を言った。素川が枕を整えて部屋を出ようとすると、眠りかけの時森さんが「そういうところが好き」とつぶやく。素川は赤くなって固まり、台所でひとり舞い上がる。そこへ携帯が鳴った。
弟の明からだ。大学生活は順調だと話すうちに、兄の声がやけに弾んでいると見抜かれ、素川はあわてて否定する。すると明は、明日そっちへ行くから泊めてほしいと言い出し、夜行バスが来たからと電話を切ってしまう。素川は、時森さんとの同居をどう説明するか、頭を抱える。
第12話「時森さんと素川くんの弟」
翌日、明は東京に着いて街の空気にはしゃぐ。途中で言い争う男女を見かけ、東京は怖いと感じて、兄に早く来てほしいと電話をかける。
素川は時森さんに声をかけて家を出て、駅前のカフェで明と会う。髪色を明るく変えた弟に、素川は目を丸くする。明は、大学にも行かせてもらったから、後悔しないように新しいことに挑戦したいと話す。
そのあと兄の新しい部屋のことを聞き、同居の話が出ると、素川はごまかしきれない。女の子と暮らしているのかと驚く明に、素川は事情があるのだと必死に説明する。
明は引かない。悪い人でないかこの目でたしかめたい、あいさつだけだから、と食い下がる。素川は、時森さんが悪い人のはずがないと言い返しつつ、先に家へ入って様子を見ることにした。玄関のドアを開けると、エプロン姿の時森さんが「おかえり」と迎えてくれる。
素川はその姿に見とれて動揺する。食卓には、パスタやグラタン風の一皿、揚げ物がずらりと並んでいた。時森さんは少し作りすぎたと照れ、素川は、凝った料理まで作れる人だったのかと驚く。
第13話「時森さんは危険です…?」
時森さんはスプーンで一口すくい、味見をしてほしいと差し出す。素川は「あーん」で食べ、つい敬語で「完璧です」と絶賛した。時森さんは大喜びで、片づけも引き受ける。
そこへ、外で待たされていた明が「にいちゃん」と飛び込んできて、時森さんにあいさつをする。顔を見た明は「あッ」と声を上げ、時森さんが男性とカフェで揉めているところを見た、と切り出す。
時森さんは言葉を失い、素川は明を叱って時森さんに謝る。明は、初めての彼女に二股をかけられた過去があり、女は女優だと言い放って、今日は泊まると宣言する。時森さんは、ご飯もたくさん作ったから、と受け入れた。気まずい夕食のあと、素川は、自分は時森さんのことを何も知らないと気づく。
夜、ベッドを兄弟に譲ってソファで寝ようとした時森さんが、素川のそばへ来る。弟さんに私的な話をさせてしまったと詫び、幻滅されたのでは、と不安をこぼし、解決したら話すと約束する。素川は、同居してからの頑張りを見てきたから味方でいたいと答えた。
二人の顔が近づいたところで明が目を覚まし、夜這いだと騒ぎ出す。明は時森さんを信用できないと言い、兄の手を引いてホテルへ連れ出してしまう。
第14話「やり直そう? 時森さん」
前の夜は、結局ホテルで明と過ごした。翌朝、素川は着替えのために一度帰宅し、今日は外回りの営業だと明に伝える。職場では、時森さんが素川の席が空いているのを気にかけている。
同僚たちは、資料をきっちり仕上げる彼女に感心するが、その資料にタイプミスが見つかり、珍しいと驚く。廊下の隅でため息をつく時森さんは、前の夜を思い返していた。
やがて雨が降りだす。傘をさして歩く時森さんを、素川が見かけた。家と逆の方向へ向かう彼女を不審に思い、あとを追う。
マンションの入口で、傘をさした男が時森さんを下の名前で呼んだ。遥翔(はると)。時森さんの元カレだ。遥翔は「やっと素直になったか」と余裕を見せ、別れたことは気にしていないから戻ってこいと手招きする。
時森さんは深く頭を下げて断る。数週間つきあってみて、自分は彼の理想の女性にはなれないと分かったし、言われた言葉も忘れられない、と。ここで回想が入る。同棲していたころ、疲れた時森さんが夕食を簡単なものにしたいと言っただけで、遥翔は「女なんだから料理くらい作れ」と責めた。
時森さんは台所で涙をこらえて料理をする。現在に戻り、遥翔が「努力すればやり直せる」と手を差し出すと、時森さんは初めてはっきり「戻りたくない」と拒み、連絡先を消そうとスマホを操作する。遥翔は逆上して手首をつかむ。そこへ素川が割って入り、遥翔の手を止めた。
第15話「泣かないで時森さん」
素川は時森さんをかばい、自分は同僚で、事情があって部屋に住まわせている、と遥翔に告げる。遥翔は同居と聞いて笑い、「じゃあ関係あるかな」と、自分がこの子と付き合っていたと明かした。素川は驚き、時森さんは元カレだと知られて複雑な表情を浮かべる。
遥翔は時森さんを「かわいいけどズボラ」と笑い、家事をさぼる女は失格だと素川に同意を求める。素川は静かに返した。できるほうがやればいい。
ひとりで全部を負担しなくていいはずで、どうして時森さんだけがやらなければならないのか、と。遥翔は逆上して素川を突き飛ばし、素川は尻もちをつく。時森さんが駆け寄る。
素川は大丈夫だと言い、早く屋根の下へと促した。遥翔は車のほうへ去っていく。すると時森さんは急に大粒の涙を流した。素川は、勝手なことを言ってしまったとあわてて謝る。時森さんは涙ながらに笑い、「素川くんで本当によかった」と告げる。
素川は、あの人の言ったことは気にしなくていいと励まし、雨でシャツが透けているのに気づいて自分の上着を貸した。濡れるから走ろうと手を取り、二人で雨の中を走る。素川の胸は高鳴っていた。
第16話「遥翔と時森さん」
翌日、素川は昨日の雨で風邪をひいたかと鼻をすすっていた。そこへ遥翔が現れ、「昨日の素川くんだよね」と声をかけてくる。二人はベンチに並んで座り、遥翔はスマホで別の女性のSNSを見せた。家庭的で専業主婦志望の子を紹介する、美月はやめておけ、という。
素川は動じない。人にはいろいろな面があり、自分は時森さんの素敵なところをたくさん知っている、と静かに答える。遥翔の表情が少しだけ揺れる。回想では、食事の席で遥翔が時森さんに小皿を渡し、時森さんがその気づかいに礼を言う場面が挟まれる。
素川が、遥翔さんも本当は優しいのでは、と笑顔で言うと、遥翔は「俺の何を知ってんの?」と険しい顔になり、時間を無駄にしたと言って立ち去った。
呆然とする素川の携帯が鳴る。弟の明だった。彼女の浮気は誤解で、誕生日プレゼントを従兄と探していただけだったと、泣きながら報告する。時森さんとの進展があれば教えてと言って、電話は切れた。
素川は、弟が時森さんとの仲を勘違いしたままだと気づいて赤面し、帰宅する。玄関を開けると、時森さんが待っていた。昨日のお礼を言って抱きつく。素川は胸が高鳴って息が上がり、熱でかすむ視界のまま、時森さんにもたれかかって崩れ落ちた。
第17話「時森さんの看病」
体温計は38.1度。素川は布団の中で、風邪をひいたとぼやく。雨に濡れたまま歩いたのが原因らしい。時森さんにうつっていないかと心配していると、ドアがノックされた。お盆に器とスプーンをのせて、時森さんが入ってくる。
今日は仕事のはずでは、と驚く素川に、時森さんは、つらそうで心配だから在宅勤務にしてもらったと答えた。
今日は私に世話をさせてほしい、と時森さんは微笑む。仕事までの時間でおかゆを作ったという。スプーンのおかゆを冷まし、「はい、どうぞ」と食べさせてくれる。
素川は真っ赤になって名前を呼ぶしかない。やがて始業前のアラームが鳴り、時森さんは「何かあったらすぐ言ってね」と部屋を出ていく。しんどいはずなのに幸せすぎる、と素川は思う。
リビングでは、時森さんがノートパソコンに向かって仕事をしている。素川は物陰からその姿を見て、自分もしっかり治さなければと決意して眠った。目が覚めると汗をびっしょりかいていて、そばに時森さんがいる。
汗をかくと体が冷えるから拭かないと、と言われ、素川はあわてて自分で拭くと抗議するが、上半身をはだけたまま背中を拭かれて動揺する。
時森さんが背中にそっと寄り添い、素川はがちがちに固まる。最後は、時森さんが素川にもたれて眠ってしまい、世話をされているうちに、自分はすっかり全快していたと気づく。
第18話「時森さんと新入社員」
出社した素川の前で、お団子ヘアの後輩女性が時森さんに泣きついていた。新人研修を任されたが手に負えないという。新人は五十嵐梓(いがらし あずさ)。前の会社で有名な広告も手がけた人だが、蓋を開ければ激ヤバな女、と後輩は小声で言う。
五十嵐は素川を「バイト君」と呼び、午前中に直しを入れなければならないからと、資料まとめを押しつけた。後輩の説明によれば、五十嵐は地味な作業には理由をつけて手を出さず、成果物だけをちゃっかり持っていく人らしい。
そこへ時森さんが割って入り、素川にやらせなくていい、今日の研修は私が担当する、と宣言する。研修中、五十嵐は自分のやり方で覚えたいと言い、時森さんを「特盛さん」と呼んだ。
時森さんは、仕事は1人でやるものではなく、みんなで結果を出すために新しいやり方も必要だと諭す。席を離れる時森さんをにらみ、五十嵐は「あの女ぁ…」とつぶやいた。
夜、素川の部屋。疲れ切ってソファに倒れ込む時森さんに、素川は、今日はかっこよかったと伝え、風邪のお礼もしたいから何でも言ってと申し出る。
時森さんは手のマッサージを頼み、素川は照れながら手をもむ。時森さんが赤くなって、もう大丈夫と言うと、素川は今日は寝られないかもと思いながらおやすみを告げた。その夜、五十嵐はひとりで長いメールを書き、薄笑いを浮かべて「送信っと」とつぶやく。
第19話「時森さんと五十嵐さん」
会社は繁忙期。電話対応に追われる中、咲田部長が時森さんを呼び、あとで会議室に来るように告げる。会議室で部長は、時森さんに何も教えてもらえずミスを叱責された、という報告を受けたが覚えはあるか、と尋ねる。
時森さんは驚き、覚えはないと答えた。部長は、念のため他の社員にも確認すると言う。
席に戻る時森さんを、五十嵐がにやりと見ていた。今日もよろしくお願いします、と明るく声をかけ、内心では、落ち込んでかわいそうに、私を不愉快にさせるからよ、とほくそ笑む。そこへ部長が素川を呼び、第三者の意見がほしいと書面を見せた。
素川は読み込んだうえで、何かの間違いではないか、時森さんはこんなことをしない、と進言する。五十嵐は、間違いも何も報告どおりだと詰め寄る。
素川は報告メールを見て、これは五十嵐さんが書いたのかと確かめ、誤字脱字がすごいですよ、と指摘した。五十嵐の顔色が変わる。部長は、五十嵐もよく確認しなさいと注意し、場は収まる。
騒ぎが落ち着いたあと、時森さんは素川のシャツの裾を小さくつまんでから、そっと放す。素川は、解決したのかなと戸惑う。時森さんは涙目で赤くなり、「ありがと…」と礼を言った。その直後、同僚から時森さんのフォローを頼まれ、時森さんは笑顔でガッツポーズを見せる。素川の胸はまた高鳴る。
主要人物の早見表|2巻で動く6人の役目
2巻で動きの大きい人物を表にまとめた。呼び方は作中の表記にそろえた。
| 名前 | 立場 | この巻でしたこと |
|---|---|---|
| 時森さん(美月) | ヒロイン。素川と同居 | 元カレをはっきり拒む。新人研修を引き受ける。素川を看病する |
| 素川(透) | 主人公。時森さんの同僚 | 元カレに反論する。看病を受ける。報告メールの誤字を指摘する |
| 明 | 素川の弟。大学生 | 兄の家に押しかけ、時森さんを疑う。誤解がとけて電話で謝意を伝える |
| 遥翔 | 時森さんの元カレ | やり直しを迫り、素川に別の女性を勧めて去る |
| 五十嵐梓 | 中途の新人 | 素川に仕事を押しつける。時森さんに不利な報告メールを送る |
| 咲田部長 | 職場の上司 | 時森さんに事情を聞き、素川にも書面を見せて意見を求める |
巻末の書きおろし・あとがきについて
巻末には、本編のあとに拾える楽しみが三つ入っている。ここは単行本を読んだ人だけが得をする部分だ。
ひとつめは、おまけ短編。五十嵐の仕事ぶりを描いた短い話で、地味なデータ確認にうんざりした彼女が、上司の新しい案件を二つ返事で引き受ける。画面にはデータ消去の表示が出て、翌日、消えたデータのことで同僚に問い詰められるところで終わる。
本編の第18話・第19話を読んだあとだと、五十嵐の見え方が変わる一編だ。ふたつめは、あとがき。第2巻の御礼とともに、休載企画で描いた「着せ替え時森さん」の立ち絵が載る。
バニーや振袖、白シャツにタイトスカート、パーカーのワンピースと、四つの姿だ。みっつめは、作者のひとこと。時森さんと素川の距離はどんどん縮まる、と次への意気込みが書かれている。
奥付も忘れずに見たい。発行日、発行所、初出がここに載る。気になる人は、ぜひ最後まで読んで拾ってほしい。続きも読みたくなったら、次の巻にも手を伸ばしておくといい。
時森さんが無防備です!!2巻の考察|「分け合う」が巻を貫く

「一緒に持てばいい」が元カレと新人への答えになる
この巻の軸は、誰がどの負担を持つのか、という一点だ。第11話で素川が語る「ひとりで抱えなくていい」という考え方が、あとの全話の答えになる。
まず第15話。遥翔は家事を女の仕事と決めつけ、できない時森さんを失格と呼ぶ。素川の返しは短い。できるほうがやればいい。ここに説教はない。分け合う話を、ふつうの暮らしの言葉に直しただけだ。次に第18話。
五十嵐は、地味な作業を人に押しつけ、成果だけを持っていく。時森さんは、仕事は1人でやるものではないと諭す。同じ軸の、職場版の答えだ。遥翔と五十嵐は、やり方こそ違うが、負担を誰かに置いて自分は楽をする点で同じ側に立っている。
これを台所ではなく、札幌の冬にたとえるとわかりやすい。玄関前の雪かきは、動ける人が動く。うちの担当ではない、と言う人はいない。ところが「女ならやれ」「新人なんだからやれ」と札を付けた瞬間に、近所づきあいはおかしくなる。
遥翔と五十嵐は、札を付ける側の人間だ。雪かきの話に戻れば、素川は札を剥がして、スコップを持つ手をもう一本足す役を担っている。
もうひとつ見逃せないのが、時森さんの弱さの描き方だ。時森さんは、頼るのが下手な人として描かれる。迷惑をかけてばかりなのに、と第11話で自分を責める。第17話で看病に回ると、今度は頼られる側になる。
持つ側と持たれる側が入れかわるから、二人の関係は対等に見える。無防備とは、だらしなさのことではない。この巻の無防備は、疲れや弱さを見せても大丈夫な相手がいる、という安心の姿だ。
素川の動きを整理すると、次の三つになる。
- 一緒に持つ: 時森さんが疲れたとき、手伝うと先に伝える(第11話)
- 決めつけに言い返す: 家事を押しつける遥翔に、静かに反論する(第15話)
- 根拠で信じる: 時森さんを疑う五十嵐の報告メールを見て、誤字を指摘する(第19話)
三つめは見落としやすいが、いちばん大事だ。素川は、時森さんを信じるというだけで押し切らない。書面をよく読み、手がかりを見つけて指摘する。信じる力と、見る目。この二つがそろって、はじめて味方と呼べる。第13話で、時森さんのことを何も知らないと気づいた素川が、ここまで来た。巻の中で一番大きな成長だ。
時森さんの「事情」は、2巻でも全部は見えない
素川が時森さんを部屋に住まわせている理由は、第15話で「事情がある」と語られるだけだ。2巻の中では、詳しい経緯は出てこない。時森さんが第13話で約束した「解決したら話す」も、元カレの件が片づいたあとに語られる気配はまだ薄い。続きを読む楽しみは、そこに残されている。
まだ回収されていない点のメモ(答えは書かない)
読み終えて、まだ手の届いていない点を並べた。答えは書かない。
- 五十嵐の報告メールの件: 第19話で誤字を突かれたあと、部長がどこまで調べるのかは描かれない
- 五十嵐が時森さんを「特盛さん」と呼ぶ理由: 呼び間違いなのか、わざとなのか、絵だけでは決められない(第18話)
- 明の電話に出る「従兄」: 遥翔と同一人物なのかは、作中で語られない(第16話)
- おまけ短編のデータ消去: 五十嵐の過去の話なのか、別の話なのか、時期がはっきりしない(巻末)
読んだ感想|時森さんが泣いた場面で、俺の肩の力も抜けた
俺が2巻でいちばん長く立ち止まったのは、第15話の雨の場面だ。時森さんが「戻りたくない」と言ったあと、素川が突き飛ばされても、なお大丈夫だと笑う。
それを見て時森さんが、堰を切ったように泣く。ここで泣けるのは、安心したからだと俺には読める。ずっと一人で飲み込んできた人が、屋根の下に入って、やっと息をした。
遥翔の言葉は、読んでいて胸が悪くなる。ただ、暴力ではなく価値観のかたちで出てくるから、現実の誰かの顔が浮かぶ。家事は女の仕事、サボるのは甘え。
こういう言葉を、ふつうのトーンで言える人はいる。素川の反論が静かなのは、そこに効くからだ。大声で言い返しても、相手は聞かない。この一言で、札が剥がれる。
第17話の看病は、安心して読める回だ。あーん、汗拭きと、ラブコメの定番が並ぶ。けれど俺は、時森さんが仕事をしながら素川を見守る場面が好きだ。看病とは、つきっきりで見張ることではない。自分の用事を続けながら、気にかけ続けることだ。そこまで描いたのがうまい。
第18話と第19話の五十嵐は、読んでいて腹が立つ。それでも素川が最後に誤字を突く流れは、すっきりする。感情で言い返すより、書面の誤字で崩す。この静かな反撃が、素川らしい。
この巻が合うのは、静かな優しさのあるラブコメを読みたい人だ。合わないのは、派手な事件や急な展開を求める人。3巻へ進む理由は、時森さんの事情がまだ明かされていないことと、五十嵐の件の決着が見えないことにある。
この記事は、櫻田泰憲が2巻を読んで書き留めた感想をもとに、AIアシスタントの支援で文章化し、本人が内容を確認・加筆して公開している。書誌や作品情報は、巻末の奥付と配信ストアの公式ページで裏取りした。
参考にした公式ページと筆者について
作品名と巻数の確認に使った配信ストアのシリーズページ。時森さんが無防備です!!(GANMA!)(BOOK☆WALKER)
筆者は櫻田泰憲。札幌在住。



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